デザイン経営はデザイン思考を上流工程に取り入れ、ブランド戦略に組み込むことで、他社にはないイノベーションやユーザーのニーズに合った製品を開発できるというデザインの考え方です。
経済産業省や特許庁による「デザイン経営宣言」が発表されて以降、このデザイン経営は注目を浴びているわけですが、実際デザインに繋がる上流工程を実施する企業が存在します。
そこで今回はそんなデザイン経営を取り入れている企業2社に注目し、どのような戦略なのかどのような事業を展開しているのかなど具体的に見ていきたいと思います。
- デザイン経営に興味がある方
- デザイン経営を実施している企業について知りたい方
- デザインをどのように上流工程に取り入れていけば良いのかがわからない方
これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めば企業がデザイン経営をどのように実施しているのかがわかるのはもちろん、自社にデザイン経営をどう取り入れていけば良いのかまでわかりますよ。
株式会社グッドバッチ
株式会社グッドバッチは2011年9月に設立したUI/UXデザイン、ビジネスモデルデザイン、ブランド体験デザイン、組織デザイン、ソフトウェア開発などを手掛けるデザインファームです。
事業のセグメントをデザインパートナー事業とデザインプラットフォーム事業にわけ、デザインパートナー事業ではWeb、iOS、Android、IoTなどのプロダクト開発の戦略策定、コンセプト設計、UI/UXデザイン、開発までをワンストップで提供しています。
受託請負ではなく、事業の最上流戦略レイヤーからクライアントと共創し、サービス全体をデザインしています。その後ユーザーが触れるデジタルプロダクトの開発までを並走していきます。
チームには最低2名、平均して3-4名のデザイナーが参画しています。
デザインプラットフォーム事業では、フルリモートデザインチーム「Goodpatch Anywhere」やデザイナー特化型キャリア支援サービス「ReDesigner」、オンラインホワイトボードツール「strap」、プロトタイピングツール「Prott」、XRプロトタイピングサービス「Athena」など自社のプロダクト・サービスを提供しています。
クライアントの課題の変化に合わせて多面的、長期的な支援が可能なソリューションとなっています。
これらの2つのデザインセグメントをうまく連携しながらシナジー効果を実現しています。
ロフトワーク
ロフトワークはアメリカのeBayのビジネスモデルをヒントに2000年に「Loftwork.com」というクリエイターのためのポートフォリオサイトとしてスタートしました。2010年にはリアルな場でクリエイティブを共有するOpenCUというイベントを開始。2012年には日本初のレーザーカッターが主役のモノづくりカフェである「FabCafe」をスタートさせました。
そんなロフトワークは「実践=プロジェクト」を通じて、未来の可能性を形にする企業です。Webサービス、都市・空間、コミュニティ運営やデザイン経営など様々な領域でサービスを展開しています。
プロジェクトそのものをデザインするという考え方のもと、常識を疑うことから始めるリサーチプロセスや答えのない問いに向き合うためのマネジメント技術など、様々なメソッドを組み合わせてイノベーションを生み出しています。
デザイン経営の取り入れ方
ここまでデザイン経営を実践している企業について紹介しました。ここからは具体的にデザイン経営を取り入れる方法をご紹介します。
経営チームにデザイナーを配置する
経営チームにデザイナーを配置することは、デザイン経営を実践する上での必須条件です。
経営チームにおけるデザイナーは経営メンバーと密にコミュニケーションをとりながら、デザイン経営を全社に浸透させていく必要があります。
デザイン経営専門部署を設置する
デザイン経営を全社員に浸透させるために専門の部門を設置しましょう。
デザイン経営専門の部署を重要なポジションに位置づけることで、部署を横断して全社的にデザイン経営を進めることができるようになります。
デザイン経営を取り入れている富士通では2020年7月に「デザインセンター」を設け、デザイン部門の提供価値、役割と責任、組織構造、事業計画などの組織デザインを進めています。
まとめ
いかがでしたか。本日はデザイン経営を取り入れ、業務の上流工程にデザインを活用している企業に関して2社紹介していきました。
株式会社グッドバッチやロフトワークなど、デザイン経営を活用し様々な領域の業務を手掛けていることがわかりました。
デザイン経営を行う際は、経営部門にデザイナーを配置することやデザイン経営のための専門部署を設けるなどといった方法がありました。
ぜひこの記事を参考にデザイン経営を取り入れてみてはいかがでしょうか。