経済産業省や特許庁による「デザイン経営宣言」が発表されて以降、デザイン経営が注目をされています。
そんな影響もあってかデザインへの投資も拡大しています。
この記事ではそんなデザイン投資に関する情報を具体的なデータをもとに解説していきます。
- デザイン経営に興味がある方
- デザイン人材をお探しの方
- デザイン市場の現状を知りたい方
これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めばデザイン市場の状況はもちろん、デザインのどういった手法、どういった領域の需要が拡大しているのかがわかりますよ。
デザイン投資の拡大
グッドパッチの2022年の調査によると、デザイン投資に効果を感じでいる企業は70%から90%に拡大しています。
UIデザイナー、UXデザイナーズの採用ニーズはそれぞれ18%、17%と引き続き高い割合となっています。
このようにデザインへの投資は拡大を続けています。
デザイン投資が拡大している理由
デザインの力を経営に活かすデザイン経営では、競合優位性を保って高い利益を上げることができると言われています。
高品質や高い技術力を持った製品が数多く存在する現在は、高技術であるというだけで商品を選択する機会が少なくなりました。
「どの商品も同じくらいの機能性」であることが多くなっているのですね。
そこでアップルやダイソンをはじめとする企業は、プロダクトやサービスにデザイン性を取り入れて顧客を惹きつけることに成功したのです。
こう言った観点からデザインへの投資が注目をされています。
実際「デザイン経営宣言」の中で、デザインの投資効果に関して以下のように述べられています。
例えば、British Design Councilは、デザインに投資すると、その4倍の利益を得られると発表した。また、Design Value Indexは、S&P500全体と比較して過去10年間で2.1倍成長したことを明らかにした。
インハウスデザイナーへの注目
グッドパッチの同調査によるとインハウスデザインも注目を浴びているようです。
インハウスデザイン組織を50名以上に拡大したいと答えた企業は2%から8%に増加しました。
インハウスデザイナーとはデザイン制作会社などではなく、事業会社内や一般企業内でデザインを担当する人のことを指します。
制作会社のデザイナーと異なり自社ブランドの制作物を担当するため、理念やブランド力を理解したプロダクトをデザインすることが可能。
またデザインを外注する場合は依頼先とのコミュニケーションやイメージのすり合わせに大きなコストがかかってしまいますが、インハウスデザイナーであればスムーズなコミュニケーションが可能です。
近年「デザイン経営」が注目を浴びていて、経営にデザインを組み込む企業が増加しています。
こう言った背景からインハウスデザインを拡大する企業が増加していると言えるでしょう。
動画市場への期待
5Gなどの通信速度の向上や、オンラインメディアの普及により動画市場が急速に成長しています。
子供が将来なりたい職業には「YouTuber」が上位にランキングするなど、年齢を問わず需要や人気が高まっています。
『日本デザインスクール』を運営する株式会社日本デザインはそんな動画市場に着目をし、2019年に調査を行なっています。
この調査によると、動画視聴の媒体として人気なのがyoutube(81.9%)、Instagram(8%)、Twitter(2.7%)、TikTok(0.8%)となっています。
また「動画編集の経験はありますか」という質問に対しては8割以上の人が「いいえ」という回答となっています。
動画編集に対しては「ソフトが難しそう(37.2%)」、「センスがない(31.7%)」、「機材がない(15.7%)」「お金がかかりそう(12.1%)」といった声があがっています。
動画市場への需要が高まっている一方、動画編集のスキルを持った人材はまだまだ不足しているということがわかりますね。
専門デザインサービスはインテリアデザインサービスが最も高い割合
株式会社グローバルインフォメーションによる調査によると、専門デザインサービスの市場規模は2020年の1,210億8,000万米ドルから、2025年には1,795億米ドルに達すると予測されています。さらに、2030年には2,527億米ドルに達するそう。
市場はインテリアデザインサービス、グラフィックデザインサービス、インダストリアルデザインサービス、ファッション・その他デザインサービスに分類され、この中ではインテリアデザインサービス市場が最も大きく、2020年には全体の29.8%を占めています。
オフライン市場がまだまだ最大のセグメントであり、2020年には全体の78.1%を占めました。オンライン市場は、2020~2025年のCAGR13.4%で最も成長するセグメントと予測されています。
まとめ
いかがでしたか。本日はデザイン全体の市場の拡大の様子と注目の市場に関して細かく見ていきました。
デザイン投資に効果を感じでいる企業は70%から90%と、デザインへの投資は拡大をしています。
またデザイン市場の中でも、インハウスデザインや動画市場、インテリアデザインなどが特に注目する手法や領域であることがわかりました。
ぜひこれらの市場や領域にアプローチしてみてはいかがでしょうか。