デザイン組織

予測不可能な時代に必要な「高度デザイン人材」って何?

高度デザイン人材とは、デザインスキルのみならずテクノロジーやビジネススキルを組み合わせ、デザイン部門以外の社員も巻き込んでビジネスを行っていくような存在です。

予測不可能なVUCAの時代では従来のようなデザイナーではなく、人々の声を聞いて必要なサービスは何かを考察していく必要があります。

この記事ではそんな高度デザイン人材に関して、どのような特徴があるのかどんなスキルが求められるのかなど徹底解説していきます。

  • 高度デザイン人材について知りたい方
  • デザイン経営に興味がある方
  • デザインでイノベーションを起こしたい方

これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めば高度デザイン人材とは何なのかはもちろん、どう育成していけば良いのかまで丸わかりですよ。

高度デザイン人材とは

高度デザイン人材とは予測不可能なこれからの時代に向けて、周りを巻き込みながらデザインを実装していく存在です。

従来のデザイン人材のように、プロダクトデザインやグラフィックデザインをただ行うのではなく、デザインとビジネス、テクノロジーへの知識を持ちそれぞれを組み合わせて、イノベーションを生み出していきます。

高度デザイン人材に求められるもの

デザインスキル

現代のビジネスにおいてのデザインスキルは、従来のプロダクト・グラフィックデザインから変化しています。UXデザインやそのプロセスであるユーザーリサーチなど、デザインリサーチ力が求められるのです。

さらに抽象的なアイディアを可視化するビジュアライゼーションも重要なスキルです。

また現代はAI、IoT、ビックデータなどテクノロジーが大きく発展しています。高度デザイン人材がこれらのテクノロジーを活用していくことで、唯一無二の技術を身につけることができます。

デザイン哲学の理解

デザイン思考の背景になっているヒューマン・センタード・デザイン (HCD)は、デザインスキルではなく、デザイン哲学です。

ビジネスにおいてデザインを活用する際には、デザイナー自身がこの哲学を正しく理解をし、アプローチすていく必要があります。

アートスキル

デザイン思考のアプローチはアウトサイドインと呼ばれますが、デザイナー自身の視点や観察眼、思考、思想などの主観的なアプローチはインサイドアウトと呼ばれます。

このインサイドアウトの教育はアート教育と呼ばれる演習を伴った実践によって身につけることができます。

様々な角度から一つの物事を見る多角的な視点が重要視されている今、改めてこのアート教育が注目されています。

リーダーシップ

ビジネスやプロジェクトにデザインを組み込む動きが加速する今、プロジェクトのビジョンを提示し、いかに周囲を巻き込んでいけるかのリーダーシップが欠かせないものになっています。

デザイナー自身が当事者意識を持つこと、周囲にビジョンを理解し協力してもらうファシリテーション能力などが求められます。

ビジネススキル

経営部門や事業部などと協力してデザイン経営を行うために、事業戦略の要点を理解するビジネス知識や観点が求められます。

さらに顧客定義や体験創出に近接する領域であるマーケティングやブランディングの知識も重要です。

またデザインプロセスやデザイン思考に関して、デザイン部門以外の人材に正しく理解してもらうことが必要なため、それがどういったプロセスで、どういった形で行うのかなどを適切に伝える能力も重要です。

高度デザイン人材の育成

高度デザイン人材は予測不可能な社会の中で、自らデザインで仮説を立て、探索し、成果につなげていくことが必要です。

そのため高度デザイン人材の育成においても、あえてゴールやアウトプット要件を示さず自立性によって進めるようにすることをおすすめします。

その評価も技術・スキルへのアセスメント可能な評価ではなく、「何を成そうとしたのか」という行動ベースでの評価をしていきましょう。

またデザイン経営はチームワークで行うものです。そのため人材育成の際もステークホルダーやパートナーなどから多様な観点で評価をすることをおすすめします。

まとめ

いかがでしたか、本日は予測不可能なVUCAの時代に重要な高度デザイン人材について解説していきました。

高度デザイン人材はデザインスキルだけでなく、ビジネススキルやテクノロジー、リーダーシップなどを用いて経営層を巻き込んだデザイン経営を実現していくことができましたね。

これからの時代になくてはならない存在です。ぜひ高度デザイン人材で定義される能力やスキルを身につけてみてはいかがでしょうか。