デザイン経営

【人材確保で苦戦している方へ】デザイン経営におけるデザイナーの育成方法

顧客の立場でニーズや要望を引き出し、ブランド力を高め、他社にはないイノベーションを生み出すことができるデザイン経営は、経産省や特許庁が推進するなど近年注目を浴びています。

一方、デザインを包括的に指揮できるデザイナーを社外から採用するのは困難だという声もあり、デザイン経営を行うための人材確保をするのに苦戦している企業も多くあるようです。

そこでこの記事ではデザイン経営を行う際の人材確保やデザイナーの育成にフォーカスをして、その具体的な方法をご紹介していきたいと思います。

  • デザイン経営に興味がある方
  • デザイナーの採用に苦戦をしている方
  • デザイナーの育成方法を知りたい方

これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めばデザイン経営における人材確保の仕方やデザイナーの育成・活用方法が分かりますよ。

外部からの人材確保は難しい?

デザイン経営ではデザイナーが上流工程から参画をし、デザイン思考を経営に取り入れる必要があります。

しかし、新しくデザイン経営を取り入れる企業では、そのデザイナーの確保に苦戦しているようです。その理由は日本のデザイナーの数がまだまだ少ない点があげられます。

経産省の「デザイン制作ハンドブック2020」によると、15歳以上のデザイナーは2015年で約19,4万人。2015年の労働人口は約6150万人なので、およそ1000人に3人がデザイナーであるという計算です。

また同資料によると、デザイン業の従業者数は2016年時点で約4.1万人。これは企業でデザイン業を行っている人数のことで、全産業に占める割合はなんと約0.07%となっています。

デザイナーの育成方法

外部からの人材の確保が難しい今、デザイナーを自社で育成する際のポイントをご紹介します。

合わせて読みたい>>デザイン経営とは【定義や実践方法を分かり易く解説】

採用プロセスでは意欲に注目する

デザイン経営におけるデザイナーは、必ずしも美大を卒業した専門スキルを持った人材である必要はありません。実際、ソフトバンクなど多くの企業で、さまざまなバックグラウンドを持つ人材が企画・開発・コミュニケーションデザインを行っています。

デザイン人材はスキルや経験よりも、課題に対して固定概念を持たずに真摯に考える姿勢が重要です。

いかにユーザー視点に立てるか、自分の専門とは異なるチームメンバーと情報共有や意見の交換ができるかどうかという視点で採用を行うようにしましょう。

ワークショップではデザイン思考について共有をする

デザイナーの育成のためのワークショップや研修は、効果的な手法です。

内閣府は経営デザインシートを配布しています。経営デザインシートとは、思考の整理・企業の価値デザインを行うことを目的としたワークシートのこと。

例えば次期社長と社員が経営デザインシートを使って自社のこれからを構想し、将来の方向性を決定していくことができます。

また、新規事業の構想とその事業における知財の役割の認識・人材育成などといった活用方法もあります。

チームのスキルを強化する

デザイナーがビジネス・テクノロジーの基礎を身につけ、ビジネス系・テクノロジー系人材がデザイン思考を身につけることにより、チームでデザインを共通言語として動くことができるようになります。

また双方のコミュニケーションが取りやすくなり、チーム全体が強化できるなどといったメリットが期待できます。

海外からの人材確保という手段も!

今後高度デザイン人材の需要は増加する見込みです。しかし日本はデザイン経営の歴史が浅いため、国内だけでは人材の確保が難しい側面もあるでしょう。

そこで海外からの人材を活用するのも1つの手です。

政府も以下の対応で、海外デザイン人材の確保を推進しています。

  • 高度デザイン人材に対するビザ取得条件の緩和
  • 日本の大学を卒業した人材に対するポストスタディワークビザの創設
  • 外国人デザイナーが日本の創業をサポートするプロフェッショナルビザの創設
  • グリーンカード制度で高度デザイン人材に対するポイント付与

これからのデザイン人材に求められるスキルとは

デザイン人材は社会的な状況、ユーザーのニーズをいち早く察知し、解決策を提案することが何よりも重要です。この解決案は、時には従来の常識から外れたイノベーティブな視点が必要です。

そしてこのアイディアをチームでカタチにしていくため、時にはリーダーシップやチームワークも必要です。

まとめ

いかがでしたか。本日はデザイナーの人材確保に関して具体的な方法を解説していきました。

日本においてデザイナーの数はまだまだ少なく、外部からデザイナーを雇うことは難しいです。

そのためデザイナーの人材確保に関して、海外人材を雇う他、デザイナーを育成していくことが有効です。

デザイナーには問題解決能力やイノベーティブな考え方、チーム力が不可欠です。デザインスキルよりもこういった能力に着目して採用・育成を行っていくようにしましょう。