デザイン経営は産業革命以降さまざまな企業で取り入れられてきました。
中でも、アップルやダイソン、ソニーなどはデザイン経営の代名詞とも言えるような企業です。
今回はそんなアップル、ダイソン、ソニーの3社にフォーカスして、具体的な事例をご紹介していきます。
- デザイン経営に興味がある方
- サービスにイノベーションを生み出したい方
- デザイン経営が何かを知りたい方
これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めばデザイン経営の事例をもとに、どのようにデザイン経営を取り入れていけば良いのかがわかりますよ。
デザイン経営とは
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デザイン経営とはデザイン思考を事業プロセスに組み込む考え方のことです。
デザインとは一見、良い商品・センスのある商品を生み出すことが目的に思われがちですが、実はお客様目線に立って市場のニーズを把握、必要なサービスを考察していくことこそが重要です。
そんなデザインの根本の考え方を、事業戦略段階から取り入れることで、会社全体でデザイン思考を意識した経営が行えます。
デザイン経営が実現すると会社のブランド力が向上、イノベーションが生まれ、他社にはない新しい強みを生み出すことができるのです。
2018年5月には経済産業省・特許庁が「デザイン経営宣言」を発表。政府としてもデザイン経営を推進していくことがわかりました。
合わせて読みたい>>デザイン経営とは【定義や実践方法を分かり易く解説】
デザイン経営の具体的事例〜海外編〜
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デザイン経営は産業革命以降、海外を中心とするさまざまな企業で取り入れられてきました。その中でもデザイン経営で成功した企業として有名なのが、アップルとダイソンです。
ここではそんなアップルとダイソン2つの事例をご紹介していきたいと思います。
アップル
アップルにおけるデザイン経営は、97年にジョブズがCEOに復帰した頃からスタートしました。その頃アップルは、パソコンのOSにおいてマイクロソフトのWindowに敗れ、経営危機に陥っていました。
アップルは製造を委託先に任せるのではなく、社内にデザイナーを配置、製品のデザイン性や機能性を徹底的に追求していきました。
これまでの製造開発ではコストや効率性が重視され、現有の製造技術が用いられることが一般的でした。しかし、アップルでは、実現したいデザインに合わせて、加工設備をゼロから工場に導入するのです。
そうして作られた製品は「キーノート」と呼ばれる発表会でお披露目されます。ジョブズはこのキーノートに2ヶ月を費やしたと言われています。発表会までも徹底的にデザインしていったのです。
そして、新商品は美しいデザインが施された直営のアップルストアで販売されます。このように商品はもちろん、顧客の購入体験までもデザインする。その徹底ぶりがアップルのデザイン経営なのです。
ダイソン
紙パック式の掃除機がメジャーだった日本に、デュアルサイクロン式の掃除機という新しいスタイルの掃除機を持ち込んだのがダイソンでした。
創業者のダイソン氏は、紙パック式の掃除機では吸引力がだんだん落ちてしまうことに不満を持っていました。そして製造工場を訪れた際に、木屑と空気を分離するサイクロンの装置をみて閃いたそうです。
その後5年もの年月をかけ、デュアルサイクロン式の掃除機を開発したのです。このように顧客のニーズを起点に、今までの常識を捨ててイノベーションを生み出したのです。
さらにダイソンはエンジニアがデザインを考えるという方式を取り入れています。そのため、商品ごとにデザインがバラバラで統一がされていません。
それは先ほどを言ったように、ダイソンは顧客のニーズをもとに商品をデザインしていくからこそ。機能性にフォーカスをしてデザインを行うことで、結果的にダイソンならではのブランディングが誕生していくのです。
デザイン経営の具体的事例〜日本編〜
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このようにデザイン経営は海外企業を中心に行われてきましたが、日本でもデザイン経営を取り入れている企業が増えています。
その中でも有名な企業の1つにソニーがあります。ソニーは「Create New Standard」という哲学のもとに、ウォークマン、トランジスタラジオなどさまざまな商品を開発していきました。
そもそもソニーのデザイン経営は1961年から始まりました。
ソニーは商品やブランディングはもちろん、企業の思いをストーリーにして発信しています。例えば経営方針を外部に発表する資料にも、ドラフト段階からデザイナーが関わっているそうです。
こうしたデザイン経営の知識を活かして2020年にはソニーデザインコンサルティングを子会社として設立して、外部企業へのサービスを提供しています。
まとめ
いかがでしたか。本日はデザイン経営における実例として、アップル・ダイソン・ソニーをご紹介していきました。
実例からも分かるように、デザイン経営は開発チームにデザイン担当を配置し、商品の構想段階からデザインにおいて、顧客のニーズをどう解消できるかということにフォーカスして開発をしていく必要がありました。
そんなデザイン経営は取り入れてから実績が出るまでは、もちろん時間がかかります。しかし長い目で見たときに、イノベーションを生み出し唯一無二のブランドになるでしょう。
ぜひ今回の記事を参考にデザイン経営を取り入れてみてはいかがでしょうか。