デザイン経営

【失敗しないために】デザイン経営の課題と解決方法をご紹介

デザイン経営とはデザイナーが制作物を生み出す時の思考プロセスを事業プロセスに組み込む手法のことです。

ただ良いデザイン・センスのあるデザインを作るのではなく、ユーザーの視点に立って、ニーズは何なのか、必要なサービスは何なのかを考えていく必要があります。

経産省・特許庁が「デザイン経営宣言」を発表し、国としてもデザイン経営を推進していますが、このデザイン経営をよく理解しないまま企業で取り入れてしまうと、中途半端なままなんとなくデザイン経営が行われ全く成果が出なかったなんてことも…。

そこでこの記事ではデザイン経営の課題を確認し、失敗しないために注意するべきことを整理していきたいと思います。

  • デザイン経営が気になる方
  • 企業のブランド力を高めたい方
  • 競合他社との差別化を図りたい方
  • サービスや商品にイノベーションを起こしたい方

これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めば、デザイン経営を取り入れる際に気をつければ良いことが分かりますよ。

デザイン経営の課題

デザイン経営を行うにあたって、多くの企業が引き起こしてしまう課題について解説します。

これからデザイン経営を取り入れようとしている方は、ぜひ参考にしてください。

経営陣の理解不足

デザイン経営ではデザイナーが経営チームに参加し、事業戦略構築の最上流から関与していく必要があります。

しかし経営者に新しい考え方を正しく理解してもらうことは、決して容易ではありません。

例えばデザイン視点を持った人が経営会議に参加をすることで、顧客のニーズを満たしているか、サービスの改善をしていくことができるのかを見直すことができます。

そしてそれを経営層にも共有できるので、会社全体でデザインの視点が構築され、目指すべき方向性を明確化することが可能になります。

またこうしたコミュニケーションの場は定期的に設けるようにしましょう。現在の開発進捗などを共有して課題の洗い出し、改善を行うことができるようになります。

合わせて読みたい>>デザイン経営とは【定義や実践方法を分かり易く解説】

意見の不一致

経営層だけでなく、社内での意識統一もデザイン経営の課題です。特にデザイン経営とは「見た目を良くするだけではない」ということをしっかりと認識してもらうようにしましょう。

社内での意識統一に関して、以下の解決策があります。

  • デザインをコストとして捉えるのではなくブランドの価値への投資として考える
  • 問題解決のための活動だとデザインを捉え直す
  • デザイン経営には組織のマインドセットが重要だと理解する
  • 業務環境の変化に対する危機感を認識する
  • 社内サイトを使って密に情報発信を行う
  • 顧客からの評価を共有する

どれだけ利益ができるかわからないものに投資をするのに抵抗がある社員も出てくるかもしれません。しかし社会が変化している今、新しい経営のあり方へ見直すことは重要です。

社内サイトなど使って密にコミュニケーションをとる、顧客からのレビューを共有するなどしてコミュニケーションの機会を増やすようにしましょう。

人事・人材

デザイン責任者への選定、社内にデザイン人材がいない点など人事や人材に関する課題もあります。

しかしデザイン人材は、顧客の悩みや課題を引き出し可視化することが役割のため、デザインを専門的に学んでいない人でも可能です。

時には外部リソースを活用するなどし、人材確保に取り組むようにしましょう。

効果を定量化できない

デザイン経営は、そもそも数値化できない価値をビジネスに組み込むため、効果がわかりづらい側面があります。

定量的に捉えることに拘らず、顧客の評価などを参考に成果を共有するようにしましょう。

既存プロセスへの組込

デザイン経営という新しい手法の導入は、これまでの習慣や手法を変えてしまいます。変化のスピードに対応するためには近道はありません。

デザイン責任者が事業部のプロセスに参加して信頼関係を蓄積したり、デザイン推進組織を設け統括的に活動できるようにするなど地道に活動していくことが重要です。

まとめ

いかがでしたか。本日はデザイン経営に起こりがちな課題と、それを解決するための手法について解説していきました。

新たにデザイン経営を取り入れるのは既存のシステムからのギャップがあるため、理解を得られづらい部分があるかもしれません。

経営層には事業戦略会議からデザイナーが参画すること、社員への理解のためには定期的な会議や社内サイトなどを活用して密にコミュニケーションをとっていきましょう。