デザイン経営

データと実例から分かる、デザイン経営の効果

デザイン経営は近年注目されているけど、本当に効果があるの?

そのような疑問をお持ちではないでしょうか。デザイン経営は、ブラント力やイノベーション力を向上することができる経営手法で、データからもその効果を確認することができます。

この記事ではそんなデザイン経営の効果について、データと実例の2つの観点から徹底解説していきます。

  • デザイン経営に興味がある方
  • 他社と差別化を図りたい企業の方
  • デザイン経営の実例を知りたい方
  • デザイン経営の効果を知りたい方

これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めばデザイン経営がもたらす効果が丸わかりですよ。

デザイン経営とは

デザイン経営とはデザイン思考を事業プロセスの中に組み込む考え方のことです。単に良いデザイン、センスのあるデザインを作るのではなく、市場のニーズを適切に捉えて、必要なサービスについて考察していくことが重要です。

そしてデザイン責任者が経営チームに参加、事業戦略構築の最上流からデザイナーが関与することで会社全体でイノベーションが生まれ、ブランド力が向上していくのです。

外国ではアップルやダイソンをはじめ多くの企業でデザイン経営が取り入れられていますが、日本ではまだそれほど多くの企業で利用されている訳ではありません。

それは日本が従来、機能面などの技術力にフォーカスして開発を進めていたという背景があります。しかし今や企業全体の技術力が上がり、技術力だけでは差別化を図ることが難しくなってしまっているのです。

近年、顧客は一定の機能を満たせば、デザイン面を意識して購入するようになりました。

そんな状況の中、2018年5月に経済産業省・特許庁によって「デザイン経営宣言」が発表されたのです。

合わせて読みたい>>デザイン経営とは【定義や実践方法を分かり易く解説】

データで見るデザイン経営の効果

デザイン経営によりブランド力とイノベーション力が向上すると述べましたが、実際の効果はどれほどなのでしょうか。

Design Value Indexによると、デザインを重視する企業の株価はS&P 500全体と比較して10年間で2.1倍に急成長したと発表しています。

British Design Councilは、£1のデザイン投資に対して、営業利益は£4、売上は£20、輸出額は£5増加したと発表しました。さらにデザイン賞に登場することの多い企業の株価は、平均と比較し10年間で約2倍に成長しているとのことです。

このようにデザイン経営を取り入れている企業は、他の企業に比べ成長速度が速くその効果は言うまでもないでしょう。

実例で見るデザイン経営の効果

八幡ねじ

八幡ねじは1946年に創業。ねじは製品そのもので差別化がをしづらい商材のため、他の中小企業同様、品揃えの豊富さや価格、即納体制などで差別化を図っていました。

しかしそれでは差別化が難しいと判断。1996年にデザイン経営を取り入れ始めました。

そして消費者がどのねじを購入すれば良いのかをわかりやすくするために、パッケージで差別化を図りました。

また、無駄を削ぎ落とすという方針で、パッケージのほか、企業ロゴなども一新していったのです。こうしてグッドデザイン賞を受賞するような製品も生み出していったのです。

参考:「見た目の美しさ」だけじゃないデザイン経営 ものづくり企業の実践例

大阪府八尾市「YAOYA PROJECT(ヤオヤ・プロジェクト)」

「YAOYA PROJECT(ヤオヤ・プロジェクト)」とは製造業だけで3000社以上ある大阪府八尾市の企業を応援するために立ち上がったプロジェクトです。

このプロジェクトでは「共創」をテーマに、企業とデザイナーが一方通行にならないようにアイデアを出し合いました。

そもそも中小企業は大企業からの受注がほとんどのため、やりたいことを意識せずとも経営が成り立っていました。

そこでこのプロジェクトでは、経営者の価値観を明確化するようにしていきました。

こうしてデザイナーとともに何度も話し合いを重ねた結果、さまざまな商品が誕生していったのです。

参考:「見た目の美しさ」だけじゃないデザイン経営 ものづくり企業の実践例

まとめ

いかがでしたか。本日はデザイン経営に関してその効果を、データと実例の2つの観点から解説していきました。

実例から分かるように、デザイン経営を行うことでブランドの価値に気づき他社と差別化を図ることができましたね。

そしてデザイン経営によって、株価が10年間で2倍にまで成長する効果もわかりました。

もちろん、従来の経営手法からデザイン経営へのシフトは、時間やリスクを伴います。

しかし長いスパンで考えた時に、ブランド力やイノベーションが生まれ、数値としても成長できる企業になることが期待できます。

ぜひデザイン経営を取り入れて、強い企業へと成長してみてはいかがでしょうか。