「デザイン経営って興味あるけど、実際導入してどう影響があるの?」
このような疑問をお持ちではないでしょうか。
今回はこのような疑問をお持ちの方にInVisionが発表した「The New Design Frontier」の統計データを元に、デザイン経営が実際どのように行われているのかを解説していきます。
InVisionはデザイナー向けのプロトタイピングツールを提供する会社ですが、このThe New Design Frontierは世界77国2,200の企業を対象にデザインに関する調査を行なっています。
- デザイン経営に興味がある方
- デザインが経営にどう影響があるのかを知りたい方
- ライバル企業と差をつけたいとお考えの方
これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めば世界の企業でどうデザイン経営が行われているのかがわかりますよ。
70%の企業が商品の開発や企業経営のプロセスにデザイン思考を導入
デザインを機能や見た目以外にも活用している企業は70%以上にも及びます。
具体的に、商品開発プロセスに組み込んでいる企業は66%、デザインリーダーが商品開発やエンジニアと連動している企業は53%。
従業員がデザインプロセスに参加している企業は51%、重役がデザインプロセスに関わっている企業は49%、従業員がユーザーや顧客リサーチに関わっている企業は48%です。
デザインによって顧客満足度が向上
同調査によると、企業の4分の3近くがデザインによって顧客満足度が向上したと述べています。
具体的には「製品の使いやすさ」が向上したと述べる企業は81%、「顧客満足度」が向上したとする企業は71%、「従業員の生産性」が向上したとする企業は33%、「収益」が向上した企業は42%、「商標」価値が向上したとする企業は39%です。
デザイン経営を達成できている企業はまだまだ少ない
この調査ではデザインの活用度合いをレベル別に5段階にわけて評価しています。その結果デザインがビジネスの根幹になっていると答えた企業は、全体のわずか5%にとどまりました。
成熟度 | 内容 | 具体的行動 | レベルアップのために必要なこと |
レベル1-41% | デザインは見栄えを良くするものとして取り入れている |
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より多くのユーザー調査を行い、それを商品に組み込む |
レベル2-21% | 定期的にデザインに関するワークショップを行なっている |
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システムを掘り下げて、体系的なアプローチに関する役割を担う人材を選出する
デザイナー、エンジニア、プロダクトマネージャーなど |
レベル3-21% | 業務プロセスにデザインが導入されている | デザインブリーフ | 仮説の開発、テストの実行、および結果の測定に関するメカニズムとルーチンの構築を行う |
レベル4-12% | 仮説検証が絶え間なく行われている | 分析やユーザー調査 | デザインをビジネス戦略の中核に据える、事業戦略会議や取締役会などにデザイナーが参加する |
レベル5-5% | デザイン=ビジネスとなっている企業 |
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デザインを何かしらのプロセスに活用している企業は70%に及びますが、デザイン経営を実現できている企業はまだまだ少ないことがわかります。
業界別の成熟度
業界別のデザインの成熟度は以下の通りです。小売業は、他業種と比較するとレベル4,5を達成している割合が高いと言えます。
その一方、大規模なUXチームで知られる銀行や金融業界はデザイン経営の面では、そこまで成熟しているとは言えません。
デザイナーの数は関係ない
デザイナーの規模が大きいからといってビジネスへの影響があるとは限りません。こちらのグラフからも分かるように、デザインへの成熟度が上がっているからといって、デザイナーの数が多くなっているわけではありません。
デザインへの成熟度は様々な面で効果を発揮する
このグラフはレベル1の企業とレベル5の企業それぞれの収益、コスト削減、市場投入までの時間、評価を調査したものです。デザインのレベルが上がるに連れて、影響が大きく出ていることがわかります。
まとめ
いかがでしたか。本日はInVisionが発表したThe New Design Frontierの統計データを元にデザイン経営が実際どのように行われているのかを確認していきました。
デザインをビジネスに組み込んでいる企業は70%以上にも及び、デザインによって顧客満足度が上がったと回答する企業は4分の3になることがわかりました。
その一方で、デザイン経営を達成できている企業はわずか5%にとどまります。レベル5のデザイン経営を達成できている企業では収益やコスト削減、評価などが、達成できていない企業に比べ高いものになっています。
デザイン経営を実現するために、デザインに関して現状からのレベルアップが求められるでしょう。