近年、ノンデザインファームであるコンサルティング会社やDX推進支援企業によるデザイン領域への拡大が注目されています。
これはデザイン経営が重要視されている証拠であり、その動きはますます拡大していくでしょう。
そこでこの記事ではそんなデザイン経営の拡大の状況をご紹介していきたいと思います。
- デザイン経営に興味がある方
- デザイン経営をどう組み込んでいけば良いかお悩みの方
- 実際にデザイン経営を取り入れている企業に関して知りたい方
これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めばデザイン経営がどのように拡大しているのかはもちろん、ノンデザインファームがどのようにデザイン経営を取り入れているのかまで丸わかりですよ。
コンサルティング会社によるデザイン・デジタル領域への拡大が加速
近年コンサルティングファームがデザイン会社を買収する動きが多く見受けられます。
例えばマッキンゼーはLUNAR、アクセンチュアはフィヨルド社やオーストラリアの独立系デジタルエージェンシーReactive Mediaの買収を行いました。
コンサルティング会社がデザイン領域に拡大する理由
コンサルティング会社がデザイン領域に拡大する理由は、クライアントへの付加価値をつけていく上で、デザイン領域が注目されているためです。
AIやIoTなどのテクノロジーの進化が進む中、それらをユーザーに対して分かり易く実感して貰うためには、ユーザーインターフェイスの重要性が非常に大きいのです。
戦略策定から実行支援へとサービスの範囲を広げるコンサルティングファームにおいて、自らプロトタイプを制作し、テストマーケティングを実行するような案件も増える中、毎回外部のデザインファームに外注していては、コストがかかってしまいノウハウの吸収も行えません。
デザイン領域を外注するのではなく、自社で取り組み、場合によっては差別化の要素としていくことを選択するファームが増えつつあるのです。
また、従来のコンサルティングファームはプレゼンの際に100枚以上の膨大な資料の束を用意するイメージがありましたが、デザイン領域へと拡大しているコンサル会社は、映像や試作品デモなどを活用し、分かりやすいプレゼンを実施しています。
DX推進支援企業がデザイン経営を取り入れる事案も
富士通はIT企業からDX企業でイノベーションによって世界を持続可能にしていくことを目指し、その鍵としてデザイン思考を重要視しています。
近年企業のDX化に向けた取り組みは加速しています。そもそもDXとはデジタルトランスフォーメーションのことで、データとデジタル技術を活用して顧客や社会のニーズをもとに、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや組織、プロセス、社風なども変革していくことを指します。
経済産業省の「DXレポート~ITシステム『2025年の崖』の克服とDXの本格的な展開~」によると、日本企業がデジタル化に取り組まなければ、2025年から2030年にかけて年間12兆円もの経済的損失を被ると予測しています。
そんなDX化ですが、顧客のニーズを抽出して使いやすさ・扱いやすさを向上してユーザー体験を実現する上で、デザイン思考が活用されているのです。
富士通でも「デジタル技術を今後の社会との関わりの中でどう使っていけばいいのかわからない」という声や「アイデアがあってもなかなか社内で意図が伝わらない」などといった声が上がっていました。
そんな問題を解決するべく、社員全体にデザインマインドを浸透させ、デザイン思考を実践できる組織へと変革を目指したのです。
具体的にはデザイン思考を「全社員が身につけるべきビジネスリテラシー」と位置付け、デザインセンターを設けて「学ぶ→実践する→成果を出す」というサイクルを牽引しています。
デザイン経営はサービスやプロダクトに付加価値を与える
コンサルティングファームやDX化を推進する富士通を例にあげましたが、それぞれデザイン経営を取り入れる目的は異なっていても、デザイン経営によってサービスやプロダクトに付加価値を与えられるという点では共通していました。
そもそもデザイン経営とは経営にデザイン思考の要素を組み込むことを指します。デザイン思考はユーザーや社会の要望やニーズを引き出し、それを解決するサービスやプロダクトを生み出す考え方のこと。
技術力の進歩によりどのプロダクトも一定の性能を持っているため、技術力で他社と差別化はしづらくなっています。
そんな中、デザイン経営によってユーザーに寄り添ったサービス・プロダクトを開発することで付加価値を見出す動きが加速しているのです。
2018年には経済産業省と特許庁が「デザイン経営宣言」を発表し、この動きはますます拡大していくことでしょう。
まとめ
いかがでしたか。本日はノンデザインファームがデザイン経営を取り入れている近年の動きに注目して、その具体的な動きとデザイン経営の現状について紹介していきました。
今回はコンサルティング業界、富士通のようなDX推進企業を取り上げましたが、デザイン経営はどんな職種・企業にとっても効果を発揮するでしょう。
ぜひこの記事を参考にデザイン経営に取り組んでみてはいかがでしょうか。