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【経産省も推進!】高度デザイン人材の特徴や国の取り組みとは

デザイン人材は従来の役割から、製品を通じて企業の価値や意志を一貫したメッセージを顧客に伝えていくビジネススキルや、ユーザーのニーズを引き出し価値があるものは何なのかを見極める能力が必要となっています。

このようにデザインの領域は従来に比べ広がっているため、国としてもこういったスキルを持つデザイン人材を増やすべく様々な取り組みがされています。

この記事ではそんなデザイン人材に関して、具体的にどのような特徴があるのか、必要なスキルは何なのかなど徹底解説していきます。

  • デザイン経営に興味がある方
  • デザイン人材の育成を行いたいと思っている方
  • デザイン人材確保にお悩みをお持ちの方

これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めばデザイン人材とは何なのかはもちろん、デザイン人材確保に向けて国の取り組みなども丸わかりですよ。

高度デザイン人材とは

経済産業省と特許庁は2017年7月に「デザイン経営宣言」を発表しました。この報告書の中で、デザインとは単にオシャレで可愛いプロダクトを生み出すのではなく、製品を通じて企業の価値や意志を一貫したメッセージを顧客に伝えていくことで、ブランドの価値を生み出すと示されました。

さらにデザインは人々が気づかないニーズを掘り起こし、事業にしていく営みであると述べられています。そして、こうしたデザインの考え方をもとに経営を行っていくのが「デザイン経営」なのです。

高度デザイン人材は、こうしたデザイン経営において、製品やサービスだけでなくプロセス全体をも設計する人材のことを指します。

なぜ高度デザイン人材が必要なのか

デジタル化の進展によってデザインの対象や機会が拡大しています。特にDX化の動きが加速していて、政府による「2025年の崖」というレポートによると2025年以降に大きな経済損失が起きる可能性があり、それを解決するためにDXを推進するべきだと提唱されているのです。

DX化の実現のためにはデザイン思考が不可欠だと言われているため、今後デザインの機会は大きく増加していくでしょう。

また、必要なものや機能が世の中に溢れかえってしまっている今の時代では、製品自体に価値が内包しているのではなくそれを利用している顧客が価値を創造していく必要があります。

そういった顧客中心のサービス的ビジネスでは、いわゆる良いデザイン、センスのあるデザインではなく、ユーザー視点に立って必要なサービスは何なのかを探求していくことが重要です。

さらに、今の時代では急速なグローバル化や技術の発展により、社会やビジネスの未来予測が困難になっています。

そんな不確実性の時代において、予測できない未来に対して自分たちで先回りして未来を計画していくバックキャスティングが重要なものとなっています。

デザインでアプローチ自体を探索していき「問題」「未来」「解決策」を仮説し、その仮説検証のためにユーザーの声を吸収していく必要があります。

デザイン人材に求められるもの

今⽇の社会的状況に即した解決策を作るデザインスキル

従来のプロダクトデザイン、グラフィックデザインはもちろん、これから求められるデザインスキルは、ユーザーリサーチ、企画、施策、評価を繰り返しながらデザインを行うUXデザインや、AIやIoT、そこに蓄積されるビッグデータなどの最新テクノロジーを用いたデザインスキルを指します。

デザインアプローチの意義を伝えるためのデザイン哲学の理解

ビジネスにおいてデザインを適用しようとする時は、デザイナーがデザイン哲学を体外的に説明できる能力やデザインにおける倫理についての視点が求められます。

イノベーティブな独⾃の視点を持つためのアートの感性

これからのデザイン人材には、当事者の観察眼や試行によって観察された事象からの課題の発見、ソリューション導出が重要となっています。

こうした感性はアート教育によって身につけることができます。今までアート教育を受けてこなかった人でも、アートシンキングを身につけるプログラムなどが開発されています。

望ましいゴールへとチームを導くリーダーシップ

ビジネスにおいてデザインの役割が高まるに従って、デザイナーが主体性を発揮してプロジェクトを推進していくリーダーシップのスキルが注目されています。

デザイナー自身が当事者意識を持って課題に取り組み、どういったゴールを目指すのかのビジョンを立てていく必要があります。

さらにそのビジョンを周囲に理解してもらい、自発的な参加を促し、最終的には周囲を巻き込んでいくファシリテーション力も求められます。

多様な⼈々と有効な解決策を作っていくビジネススキル

デザイン経営ではデザイナーが経営全体に携わっていく必要があります。そこで、事業戦略の要点を正しく理解するビジネス知識や観点が求められます。

さらに周囲の人材と有意 義な連携を創出するために、デザインのアプローチや考え方に関して、それがどういったプロセスなのか、どういった形で遂行することが望ましいのかを正しく適切に伝える力も重要です。

デザイン人材確保に向けた国の取り組み

デザイン人材確保に向けて経済産業省は2019年3月に「高度デザイン人材育成ガイドライン」を発表しています。

この資料では、デザイン人材獲得に向けたプロセスや教育方法などが具体的にまとめられています。

まとめ

いかがでしたか。本日は国が推進している高度デザイン人材に関して、どういった特徴があるのか、どういったスキルが必要なのかなど解説していきました。

高度デザイン人材は従来のデザイン人材とは異なり、デザイン経営を実施していく上に必要なユーザーリサーチ能力やビジネススキル、周囲を巻き込んでいけるリーダーシップが必要でしたね。

経済産業省が高度デザイン人材育成のためのガイドラインも発表しているので、興味のある方はぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。