デザイン経営をいざ実践するとなっても、具体的にどうすれば良いかわからない方も多いのではないでしょうか。
この記事ではそんなデザイン経営の具体的な実践方法について解説しています。
- デザイン経営に興味がある方
- デザイン経営を取り組もうとしている方
- デザイン経営の実践方法を知りたい方
これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めばデザイン経営を実践するために必要なことが分かりますよ。
デザイン経営の実践
![](https://desinare.design/mgt/wp-content/uploads/2023/02/mapbox-ZT5v0puBjZI-unsplash-1.jpg)
デザイン経営の実践のためには以下のような複数の取り組みを一体的に実践することが望ましいと言われています。それぞれ詳しく解説します。
- デザイン責任者の経営チームへの参画
- 事業戦略・製品・サービス開発の最上流からデザインが参画
- デザイン経営の推進組織の設置
- デザイン手法による顧客の潜在ニーズの発見
- アジャイル型開発プロセスの実施
- 採用・人材育成
- デザインの結果指標やプロセス指標の設計を工夫
合わせて読みたい>>デザイン経営とは【定義や実践方法を分かり易く解説】
デザイン責任者の経営チームへの参画
デザイナーは経営チームに参加し、事業戦略構築の最上流から関与していく必要があります。
デザイン責任者が経営チームに参画することで、製品やサービスをユーザー視点でとらえ、その中で業務プロセスに変更が必要な場合は改善を促すことができます。
そしてそれを経営層にも共有することができるため、会社全体でデザインの視点が構築され、目指すべき方向性を明確化することができます。
事業戦略・製品・サービス開発の最上流からデザインが参画
企業のビジネスの最上流からデザイン思考が取り入れられなければ、デザインでブランド力やイノベーションを生み出すことはできません。
デザイン責任者が事業戦略会議に参加し、開発に携わるすべてのメンバーでデザイン経営に取り組む体制を作っていきましょう。
デザイン経営の推進組織の設置
組織図の重要な位置にデザイン部門を置くことで、社内各部署がデザインという項目で連携を取れるようにしましょう。
デザイン手法による顧客の潜在ニーズの発見
デザイン思考では、単におしゃれなデザイン・センスのあるデザインを作るのではなく、顧客視点に立って、社会の問題や顧客のニーズを引き出していくことが重要です。
こうしたデザイン思考のアイディア出しでは、ブレインストーミングやブレインライティング、SCAMPER法などといったフレームワークを活用していきましょう。
ブレインストーミング | グループ内で口頭でアイディア出しを行う |
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ブレインライティング | 複数人で回覧板式にアイデア発想シートを回して、アイデアを引継ぎ合いながら広げていく |
SCAMPER法 | Substitute(代用する)・Combine(組み合わせる)・Adapt(適応させる)・Modify(修正する)・Put to other uses(他の使い道を考える)・Eliminate(削減する)・Reverse/Rearrange(逆転させる/再編成する)の7つの観点でアイディアの見直しを行う |
アジャイル型開発プロセスの実施
アジャイル型開発ではプロジェクトを小さなサイクル分け、開発工程を繰り返す開発手法のことです。
優先度の高い要件から開発を進め、開発した各機能を集合させて1つのシステムを構築していきます。
観察・仮説構築・試作・再仮説定義を反復して行うことで、スピード感を保ちつつ質の良い開発を行うことができます。
日本は従来からウォーターフォール型の開発を行っていたため、アジャイル型への変革は抵抗があるかもしれません。
しかしウォーターフォール型と違い、アジャイル型では欠陥や仕様変更があった際に変更を柔軟に行うことができるのです。
採用・人材育成
デザイン人材の採用は容易ではありません。社内育成の充実化や時には外部リソースを活用するなどしていきましょう。
デザイン人材は美大出身である必要はなく、デザインマインドを持っていることが重要です。
デザインの結果指標やプロセス指標の設計を工夫
Design Value Indexの発表によると、デザインを重視する企業の株価はS&P 500全体と比較して10年間で2.1倍に急成長したとのこと。このように長い目で見たときにデザイン経営は高い効果を出すことができます。
しかしその一方で、短期的に結果が見えづらいため、モチベーション維持や経営層への理解が難しい側面があります。
アンケートなどを活用し、ユーザーの声やレビューを社内で共有するなどし、社員のモチベーション維持に繋げていくことをおすすめします。
まとめ
いかがでしたか。本日はデザイン経営を実践するための具体的な手法について解説していきました。
本日紹介した複数の取り組みに関して、複数実践をすることで、社内全体でデザインマインドが構築することができます。
デザイン経営はすぐに効果が出るものではありません。しかし長い目で見た時にブランド力の強化やイノベーションが生まれるでしょう。
ライバル企業と差をつけるためにもぜひ実践していただければと思います。